中国の労務管理 ~社労士からひとこと~

この秋、中国の雇用環境と労務管理について、お話させていただく機会がありました。

中国現地の労務については、1年半ほど中国に語学留学した縁で、現地就業規則の作成や現地専門家の紹介などに関与した経験がありました。

現地の雇用環境と労務管理を語るうえでは、「戸籍制度」や「単位制度」「漸進主義」の理解が欠かせません。

農村戸籍と都市戸籍という出自の違いが教育や社会保障・就労などを終生支配すること、
社会保険が地域の労使にほぼ丸投げされ、非効率な制度が乱立していること、
中国共産党の存在が企業経営や職業人生にいまだ少なからず影響を与えていること、
各地の暴動の原因など…。

国を問わず、労務管理の現場には社会の抱える矛盾がにじみでるものだと痛感します。

ところで上記内容について小職が寄稿した書籍『「グローバルチャイナ」の現在』(大学教育出版)が出版されました。経済・経営のグローバル化と中国社会、文化観と教育の未来について、学者・ジャーナリスト・実務家の論考が掲載されています。

ぜひ、ご一読ください。(塩澤)