3年以内既卒者採用に対する助成金を拡充(厚労省)

3年以内既卒者を採用したときに支給される3つの助成金について、厚労省と文科省は1月18日、未内定の卒業年次の在学生も支給対象に含める旨を発表しました。

今年度かぎりの措置で、2月1日以降に紹介を受け、卒業日の翌日以降勤務開始の採用が対象です。

今回はこれら3つの助成金について「おもな支給条件と支給額」「対象となる既卒者・未内定者」「注意するポイント」の点からご紹介します。活用をご検討される場合はお気軽にご相談ください。

 

1.3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金
(1)おもな条件と支給額
①おもな条件ハローワークまたは新卒応援ハローワーク経由で3年以内既卒者か未内定者を正規雇用すること。
②支給額正規雇用から6ヶ月経過に100万円を支給。ただし1社につき、1回限り。

(2)どんな人が助成金の対象となるか
「大学、大学院、短大、高専、専修学校などを卒業後3年以内の既卒者で1年以上継続して同一の事業主に正規雇用された経験のない人」または「今年度卒業年次の未内定の在学生」で、ハローワークまたは新卒応援ハローワークに求職登録している人。ただし、ハローワークなどから紹介される前に採用を約束していた場合などは対象外。

(3)「正規雇用する」とは?
①期間の定めのない雇用で、②週所定勤務時間が通常の社員と同程度の労働契約を結び、③雇用保険の一般被保険者(週所定勤務時間30時間以上)として採用することをいいます。

 

2.3年以内既卒者トライアル雇用奨励金
(1)おもな条件と支給額
①おもな条件ハローワークまたは新卒応援ハローワーク経由で3年以内既卒者か未内定者を原則3ヶ月の有期契約で採用し、その後正規雇用すること。
②支給額有期のトライアル雇用期間1人1ヶ月につき10万円(1人につき最大30万円)を支給。その後正規雇用し、3ヶ月経過後に1人につき奨励金50万円を支給。(1人につき最大80万円)

(2)どんな人が助成金の対象となるか
新卒扱いの助成金の対象者のほか「中学校、高校などの3年以内既卒者で同様に安定就労の経験のない人」も対象になります。ただし「40歳未満」という制限が加わります。

(3)「正規雇用」されなかったら?
有期雇用のみで契約が終了したときも、トライアル期間分の助成金は原則として支給されます。

 

3.既卒者育成支援奨励金
(1)おもな条件と支給額
①おもな条件「成長分野の中小企業」がハローワークまたは新卒応援ハローワーク経由で3年以内既卒者か未内定者を原則6ヶ月の有期契約で雇入れ、座学など研修を実施した上で、正規雇用に移行するとき支給されます。
②支給額有期のトライアル雇用期間1人1ヶ月につき10万円(1人につき最大60万円)を支給。また、期間中に実施した座学などOff-jtの経費を1人につき最大月5万円(最大3ヶ月分15万円)を支給。その後正規雇用し、3ヶ月経過後に1人につき奨励金50万円を支給。(1人につき最大125万円)

(2)どんな人が助成金の対象となるか
既卒者トライアル雇用の助成金と同じです。

(3)その他のポイント
①「成長分野」の具体的な範囲は次のとおりです。「林業」「建設業のうち環境や健康に関連する建築物を建築しているもの」「製造業のうち環境や健康分野関連する製品を製造しているもの・関連する事業と取引関係があるもの」「電気業」「情報通信業」「運輸業・郵便業」「学術・開発研究機関のうち、環境や健康分野に関する技術開発を行なっているもの」「スポーツ施設提供業」「医療、福祉」「廃棄物処理業」「上記以外で、環境や健康に関連する事業を行なっているもの」
③座学などOff-jtは、30日以上かつ120時間以上実施するものです。詳細な条件はお問い合わせください。
④求人登録時にハローワークなどに「育成計画書」を提出し、座学などはこの計画書にしたがって実施します。
⑤正規雇用しなかった場合もトライアル期間分と研修経費の助成金は原則として支給されます。