今年(平成27年)の年末調整とマイナンバーの取扱について

国税庁の今年(平成27年)の年末調整についてのパンフレットにはマイナンバー取扱いの解説が載っています。
また内閣府や国税庁のQ&Aでは、今年の年末調整でマイナンバーを集め、来年(平成28年)以降の税や雇用保険の手続に利用する手順が紹介されています。

とはいえマイナンバーは通常の個人情報と違い、番号法などで厳格な取扱いのルールが決められており、漏えい時の本人や会社側への影響も未知数です。
今年の年末調整にどうとりくむべきか、実務面から気になる点をまとめました。

(1)「平成28年分 給与所得者の扶養控除(異動)申告書」へのマイナンバー記載について

国税庁パンフレットでは、来年(平成28年)1月以降、給与を支払う者は、『個人番号の記載された「給与所得者の扶養控除(異動)申告書」の提出を受ける必要がある』としています。

ちなみに同申告書の書式には、給与所得者本人と扶養家族のマイナンバーを記入する欄が追加されています。

一方で、おなじく国税庁のQ&Aでは「平成27年中に提出を受けるときは記載しなくともよい(Q2-11)」との回答が記載されています。

また内閣官房のQ&Aでは、「従業員等のマイナンバーはマイナンバーを記載した書類を行政機関等に提出するときまでに取得すればよく、必ずしも平成28年1月の制度開始に併せて取得する必要はない」としています。

マイナンバーを含む特定個人情報の収集、受け入れにあたっては、利用目的の通知と番号確認・本人確認の実施が義務付けられる他、安全管理措置の実施義務等が生じます。税理士・社会保険労務士に委託している場合には、委託先の監督責任も生じます。

マイナンバーの全社的な収集を先送りされたいケースでは、誤って様式にマイナンバーが記入され、提出されることのないよう十分に周知する必要があります。ご留意ください。

 

(2)本人に交付する源泉徴収票などには記載不要

来年(平成28年)分の給与所得者の源泉徴収票や、支払調書等のうち、本人に交付するものにはマイナンバーの記載は不要です。10月2日付で変更されました。

雇用保険について補足しますと、こちらも官公庁から本人に交付される「離職票」などの通知書面にはマイナンバーは一切記載されない予定となっています。

(3)マイナンバー導入のチェックポイントについての解説番組

政府インターネットテレビ」で、「事業主向け」「個人向け」の解説番組が配信されています。
このうち事業主向けの番組では、マイナンバーの管理について6つのチェックポイントが列挙されています。
ガイドライン(事業者編)」や「Q&A」の求めるの厳格さと比べ、相当シンプルにまとめられています。そのまま運用することはリスクがあるようにも思われますが、ご参考までご覧になってみてください。