過労死等防止対策白書が公表されました。~概要のご紹介~

政府は10月7日、過労死等防止対策基本法に基づき、「平成27年度 過労死等防止対策白書」を閣議決定しました。

今回の白書は、同法にもとづく初の白書であり、過労死等の実態を把握するための調査研究の結果等、平成27年度に行われた過労死等防止対策の取り組み等がまとめられています。

以下、白書で紹介されている調査結果の一部をご紹介します。

※「過労死等」
「業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による 死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害」を指します。

(1)過労死等の現状

 以下、白書の内容から抜粋しました。

ア.パートタイマーをのぞく一般労働者の一人当たりの年間総実労働時間数は2,000時間で高止まりしている。

イ.1週間の就労時間が60時間超の労働者の割合は平成15・16年をピークに緩やかに減少している。30~40代の男性で週60時間超の労働者の割合が高い傾向は変わらない。

ウ.仕事や職業生活について強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合は5割を超える。

エ.平均した1か月の時間外労働が45時間超とした企業の割合は①郵便業、運輸業②宿泊業、飲食サービス業、③卸売業、小売業の順に多い。

オ.1か月の時間外労働が最も長かった時間数を80時間超と回答した企業の割合は、①情報通信業、②学術研究・専門技術サービス業、③運輸業、郵便業の順に多い。

カ.残業時間が長いほど、疲労の蓄積度とストレスが高い者の割合が多い。

キ.睡眠時間が足りない理由として「残業時間が長いため」が最も多いが、「その他家事労働の時間が長いため」「通勤時間が長いため」も一定の割合を占める。