2015年10月:制度の始動前に気になること

はじめに

2015年10月現在、来年(2016年)からのマイナンバー制度の実施を控えて、マイナンバーを知らせる通知カードの各世帯への郵送が始まっています。

民間事業者に対しては、規模の大小・業種を問わず、来年から所得税・雇用保険関係書類へのマイナンバーの記載と、事業所内での管理が求められています。

このマイナンバー制度ですが、個人や民間事業者への影響が非常に大きいことがたびたび報じられていながら、その詳細は複雑で、当事者である私たち個々人や民間事業者に十分に知らされ、理解されているとは言いにくいのが実情です。

一方、作業スケジュールは今のところ順調に消化されており、民間事業者としてはいやおうなくマイナンバー取扱に備えなければならない状況にあります。

 

制度始動前に気になること

こうした中、マイナンバー取扱いの実務対応について、専門家により各種の書籍が刊行されるようになりました。当事務所でも、寄稿のご依頼をいただき、各種の資料を実務の観点から整理して取りまとめまし20150930mnbbookた(某社のマイナンバー管理サービスを紹介する書籍に収録されています。詳しくはこちら)。

この原稿を執筆する中、この制度について、様々な点が気にかかりました。執筆を終えたのが初夏の頃で、現在に至るまでのあいだに大きな変更が一部にありましたが、私が気がかりに感じた点は十分に解消されていません。

私が気になった点は、「民間事業者の一部では、日常的・継続的に安全管理措置を十分に実行することは難しいのではないか。安全管理措置が確保できない場合、どのように対処すべきか、検討しておく必要があるのではないか」というものです。

 

「安全管理措置を実施できない」は想定外?

安全管理措置とは、マイナンバーを取扱う事業者に課せられる情報の保護措置のことです。

マイナンバーを取扱う事業者は、マイナンバーとマイナンバーを含む特定個人情報が漏えいすることのないよう、「組織的」「人的」「物理的」「技術的」な保護措置をとらなければなりません(マイナンバーの管理そのものを委託した場合であっても、これらの義務から解放されることはありません。)

一定の中小規模事業者(従業員数が100人以下など)については、とりあつかうマイナンバー等の数などを考慮し、安全管理措置の一部の要件が緩和されています。

ただ、一口に民間事業者といっても、経営状況は様々です。

2015年中はもちろん、各種の行政への届出書への記載の必要の生じる2016年になっても、安全管理措置を実施できないケースは十分に考えられます。

またそうでなくとも、今後、経営環境の変化や人手不足、天災事変などで一時的に安全管理措置がとれなくなるといった事態も起こりうるでしょう。

ところが、内閣府等のどのQ&Aをみても、「安全管理措置が十分にとれない(またはとれなくなった)時、民間事業者はどのように対応したらよいのか」という設問がありません。ガイドラインもマイナンバー利用を前提に作成されているためか、安全管理措置を取れない場合の対応は想定されていません。

 

民間事業者に求められる対応

マイナンバー制度の根拠になっている「番号法」では「第6条 事業者の努力」として、次のように定めています。

「個人番号及び法人番号を利用する事業者は、基本理念にのっとり、国及び地方公共団体が個人番号及び法人番号の利用に関し実施する施策に協力するよう努めるものとする。」

この規定は罰則を伴わないいわゆる「努力義務規定」ですが、内閣府などが公開している各種「ガイドライン」等の根拠となっています。努力する姿勢があればよい、というものではなく、すべての民間事業者に対して具体的な対応を求める主旨のものといってよいでしょう。

マイナンバーとマイナンバーを含む特定個人情報の重要性は非常に高く、漏えいした場合の従業員本人への不利益は計り知れません。民間事業者としては、漏えい事故の発生することのないよう、安全管理措置の実施を含め、慎重な管理が求められます。

実務上は、マイナンバーを受け入れる時点で、行政の求める安全管理措置が十分に実施されるよう、準備を済ませておく必要があるといえます。重複しますが、この安全管理措置は一時的なものでなく、日常的、継続的なものであることが求められます。

準備にあたっては、まずはガイドラインの指し示す手順どおり、「基本方針」「特定個人情報取扱規程」といった文書の内容を検討しつつ、組織的、人的な安全管理措置の方法を策定していく方法が考えられます。

これらの文書の検証を進める中で、物理的、技術的な安全管理措置の実務についても、網羅的に検討することとなるでしょう。

こういった作業は備品施設やマイナンバー管理システムの導入、更新と異なり、大きなコストも生じませんし、実務フローそのものをすぐさま変更する必要もありません。

 

それでも安全管理措置が実施できないとき・・・マイナンバーをどうするか

このように事前に検討を行い、準備に取り組んだとしても、それでも安全管理措置を実施できない(間に合わない)ケースや、途中から実施できなくなるケースは生じるものと考えられます。

来年1月以降、最初に所得税関連・雇用保険関連の所定の書類を作成し、提出する必要が生じる時点までに、行政側からQ&Aなどの形式で何らかの指針が提示されれば、具体的な対応方法が明らかになるものと思われます。

 

以上のとおり、2015年10月現在、実際に制度が始動していないこともあり、十分な情報が得られているとはいい難いのが実情です。

それでも、マイナンバーを受け入れ、取扱うにあたってのガイドラインは相当程度具体的に示されています。

当事務所としましては、これらの情報をもとに、「制度のご説明」「民間事業所に求められる対応」「具体的な検討手順」「マイナンバー関連事務の委託」など、マイナンバー取扱いに関するご相談に対応させていただきます。

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